橋梁の種類と特徴について学ぶ!  

アーチ橋
古くから利用されてきた構造形式の一つです.むしろ,代表的な構造形式といっても過言ではないでしょう.鉛直に加わる力を上方に凸の曲線(円弧:アーチ)方向の圧縮力に変換し,最終的にアーチの両端橋脚に力を伝え全体を支えます.現代のアーチ橋には鋼製やコンクリート製があり,その力学的特性もアーチにのみ頼ったものではありません.アーチ橋の形式は,1. 走行路面の位置. 2. アーチリブの支持状態・形状・位置. 3. 補剛桁の構造. 4. 吊材・鉛直材の構造. 5. 床組. 6. 使用材料. などの組み合わせにより多くの種類に分類されますが以降に各アーチ構造の形式と特徴を示します.(タイドアーチ橋,ランガー橋,ローゼ橋,ブレーストリブアーチ橋,スパンドレルブレーストアーチ,ソリッドリブアーチ,ニールセンアーチ )

左図は基本的なアーチの形状であり,図中の桁がアーチの下部にある場合を「下路式」(図-a),中部にある場合を「中路式」(図-b),上部にある場合を「上路式」(図-c)といいます.

力学的な特性を知りたい方はこちらのFlashをご覧ください.

Wikipedia:  アーチ橋  アーチ

ローゼ桁橋(アーチ橋の一種,ローゼ橋ともいう)
太いアーチ部材それよりも細く剛な柱材を取り付けて桁(走行路面)を吊り下げあるいは支える形式のアーチ橋をいいます.下記のランガー橋と違いアーチ部も曲げに対する抵抗を受け持ちます.

新北九州連絡橋(3径間連続中路式単弦ローゼ橋)

ランガー桁橋(アーチ橋の一種,ランガー橋ともいう)
ローゼ橋に比べてアーチ部材が細いものをランガー橋といいます.アーチ部材の太さが桁(走行路面)を吊り下げあるいは支える為の剛な柱材と同程度だと考えてもらうと解りやすいです.曲げに対する抵抗は基本的には桁が受け持っています.

ニールセン橋(ローゼ橋の一種)
ニールセン橋は,創始者であるNeielsenにちなんだものであり,アーチ系橋の鉛直吊材,斜材をケーブルで置き換えたものを総称しています.特性として次のものが挙げられます.一般的アーチ橋に比べ弦材の曲げモーメントを軸方向力に増加させることなく低減でき,吊材の間隔,傾斜角を適切に選定することにより吊材をすべて引張材として設計できます.通常のアーチ橋に比べてたわみが非常に小さく,移動荷重による変動も少なくすることができます.斜材にケーブルを用いることにより,橋全体が軽快な感じになります.


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