10年以上前から、足の裏の、中指の下のあたりに、タコ、ウオノメ(魚の目)ができている。
ウオノメってのは、タコの中心に芯があるような形状のものだ。
ひどい人だと、芯が神経に直接当たって、歩くと激痛、治療もまた激痛…ということになる。
私はそれほどまでは無いが、普通の靴は履けない。

何とかならないものか。
せっかくレイキを習ったからレイキで治らないものだろうか、と思い、
ウオノメにレイキをするが、何の反応もない感じ。
検索もしてみるが、ウオノメがレイキで治ったという記述はなかなか見つからない。

まあ、タコやウオノメの類は、何かを守るために、盾としてできたものだろうから、
悪や病巣というふうに見るのは、不適切なのかもしれない。
タコ、ウオノメさんに言わせれば、「私、働いてるんですけど。何か?」って感じだろう。

なおもウオノメを検索すると、靴や生活習慣、歩き方の問題という説が出てきた。

歩き方の練習といえば…
アレクサンダー・テクニークだろう。

http://www.alexandertechnique.co.jp/modules/contents/index.php?content_id=122

東京は目黒にある、アレクサンダー・テクニークのスタジオ「BODY CHANCE」。
初めての人のためのお試しレッスン(30分3000円)に、行ってみた。

女性のトレーナーさんが、私の足の裏に触ってくださり、
「あ、これですか。どんなときにひどくなる、といったことは分かっていますか?」
「いえ、気づけていません。」
「30分でどこまでできるか分かりませんが、やってみましょう」とのこと。

まず、普通に歩く。
そして、質問される。

「何に注意しておられましたか」
「はい、足の指を開いてしっかり踏みしめるということにしてみました。ウオノメができている辺りにだけ力がかかっているのが、まずいんだろうと思って、最近そんなふうな歩き方にしてみているんです。」

先生はおっしゃる。
「アレクサンダーでは、人間の動きというものを、
頭の部分と背骨の部分を中心に考えていくんです。
他のところは、その、中心の部分についていくんですよね。
次に歩くときは、頭や背骨がどうなっているかというのを感じながら、歩いてみてください。」
動作をする、感じてみる、少しのサジェスチョン、といのがアレクサンダー・テクニークのレッスンの流れのようだ。

「どうですか。」
「いや〜、普段、頭や背骨というのは意識していないので、どんな感じかが、分かりませんでした。」
「そうでしょうね。」

先生は、私に、頭を少し上に持ち上げてから降ろす、という動作をさせ、「あ、はいはい」分かりましたというような声を出された。

「少しお手伝いしますよ。」
私に、頭を右から左へ、左から右へとまわさせ、その間に、先生はやさしくほんの少し、上向きの力と、言葉をかけてこられる。
「頭は、自分の思っているより、も少し、上かもしれなーい。も少しだけ、上かもしれなーい。0.2mmぐらいでいいんですよ、意識としてはね。」
背中は、どちらかというと丸くなるように。
なおかつ、歩くときには、頭が少し、前に出るように。

「それで歩いてみてください」「どうですか」
「はい、なんかちょっと身体が前に出るようです」

それでいいということのようで、先生はおっしゃる。
「人間、動物の身体というのは、歩くときに、頭が前に出るものなんです。頭がこう、後ろになっている人はいませんよね。人間は頭から歩くんです。」

頭から歩く、と思ってみて、もう一回。
………。
動作的には、ほんのわずかな差だろう。
けれど、動きが軽いというか。
やはり、前に出るという言葉がぴったりくる。

もうあと、終わり6,7分といったところ。
先生は、さっきから部屋に鎮座している、骨格標本のところへ私を連れて行かれた。
「はじめのときに、森川さんがね、足の指を開くようにしてみているって、おっしゃいましたけど、そうしないほうがいいのではと思うんですよ。足が広がってしまいますからね。これが、足の骨です。」
骨格標本の、足の甲。
「こう、アーチ状になっていますよね?」
正しい骨格を持っている人は、この標本を見てもなんの驚きもないだろうが、
私からすると、それは目を疑うような形状である。
足の平原の親指側、小指側は地面につくが、真ん中らへんは、決して地面につかないような、
高いアーチ型なのだ。

「ここ(中指の下)にウオノメができるということは、アーチの高い部分が、下に降りて平たくなっているんですね。つまり」
「はあ‥。上から力がかかっている、ということですね」
「そういうことになりますね。」

ほとんど半円形に近いアーチが、上から押されて平べったくなり、
さらには出っ張って、ウオノメができるというのは、
これはもう、尋常ならざる偏平足だ。

とはいえ、足の裏に上から体重がかかるのは、当然のこと。
しかも私は、さほど太っているわけではない。

いったいどうしろと‥‥。

すると先生は、私に対して、こんな意味のことをおっしゃった。
「地面からの反作用に支えられて、楽に立てまーす。」
そして、ほんのわずか、上向きのプレッシャーをかけながら、そおっと、口にされた。
「私、体重なんて、本当は、無かったんだー。体重なんて、ほんとは、無かったんだー。」

その言葉の意味することを、身体で実感するのはまだ難しかったが、どういうことなのかは、自分なりに理解できた。

10キロの砂袋を抱えるのは重い。
しかし、 10キロの、機嫌のよい子どもを抱くのは、
たぶん、米袋ほどには、重くない。

そういうことではなかろうか。

「ハイそれで歩いてみてください。」

頭から歩く。
上半身は、親に抱かれて、前を見ている子どもになったつもりで。


「どうでしたか?」
「…分かりました」

ウオノメが出来始めたのは、
前職の、前半の頃。
常勤の職に就いて、慣れない靴のせいもあっただろうが、
やや疲れた私は、自分の背骨を失くし、
砂袋のように、身体の重みを足の裏に預けてしまっていたのだろう。
自らの意志で前に行きたい、歩きたいというのではなく、足に運んでもらっていたのだろう。

「アーチ型の足になるには、2つ、やることがあると思うんです。
1つは、今のような歩き方ですね。
そしてもう1つは、
足の甲の筋肉をつけることです。足の指でタオルをたくし寄せてくるような動きをして、筋肉をつけると、いいと思いますよ。」

こうして、30分の、濃いレッスンは、終了した。

「本当は、自分が継続的に習いに来れるといいんですけどね。」
ここの教室では、お月謝を払って毎週通ってレッスンを受けるのが基本だ。
先生は、「そうですねえ。でも、週末にワークショップをやっていることがありますので、良かったら。他の方の変化も参考になりますよ」とのことだった。


ルームを出て、東京の街を歩いた。
頭から。
自分が行きたいから、前に進む。
それに足が付いてくる。
上半身は、親に抱かれて
先に行くのが楽しみで仕方が無い、
そんな、
5歳ぐらいの子どもになったつもりで。



そして。
この歩き方を心がけるようになって、2日間。
夜、何気なく、足の裏の、
ウオノメ的な部分を触ると………

硬い部分の皮が、ずるーっと、今までにないぐらいスムーズに、剥けた。
(リアルな話ですみません)

………嘘やろ?!

まだ2日間。
それに、
上手に出来ているとは言いがたいのだから、
効果が出るには早すぎる。
長いこと、盾をやってきた、タコ、ウオノメさんが、これで無くなるとは思えない。
けれど。

こんなに皮が剥けたということは、
たぶん、足の裏さんの、メッセージだろう。

「やっと分かってくれたんだね」
と。

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以上、
アレクサンダー・テクニークのお試しレッスン 体験記でした。

メモしていたわけではありませんので、先生にとっては「そんな言葉遣いでは言っていないよ」ということがあるかもしれませんが…。

先生、丁寧に教えてくださってありがとうございました


ウオノメ VS アレクサンダー・テクニーク。

アレクサンダー・テクニークの勝ちを予感させてもらいました。



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