2021年 ◆佳作 ◆福岡市科学館賞
博多・Theちょう
チーム名: | 16年連続16度目の挑戦 |
メンバー: | ○前田 能輝(福岡大学 大学院工学研究科 機械工学専攻 1年) |
白 泳宙(福岡大学 大学院工学研究科 機械工学専攻 1年) | |
井手 俊佑(福岡大学 大学院工学研究科 機械工学専攻 1年) | |
梁元 航大(福岡大学 大学院工学研究科 機械工学専攻 1年) | |
財津 大翔(福岡大学 大学院工学研究科 機械工学専攻 1年) | |
福田 謙太(福岡大学 大学院工学研究科 機械工学専攻 1年) | |
後田 功貴(福岡大学大学院工学研究科機械工学専攻 1年) | |
古賀 優希(福岡大学 工学部 機械工学科 4年) | |
内藤 大裕(九州大学 総合理工学府 総合理工学専攻 1年) |
二次審査講評:
■審査委員長 長谷川 泰久(名古屋大学 未来社会創造機構 ナノライフシステム研究所 教授(ロボメカ部門 部門長))
コロナで約8割の売り上げ減となった博多座に対して、遠隔にて演劇鑑賞を可能とするデバイスとして、自由な視点を提供するドローンより、ずっと静粛な蝶の羽ばたき機構とセレーションを採用した飛行ロボットを提案されました。
更に、フレキシブルモニターによる擬態によるオクルージョン回避や、衝突回避しながら画角の自由選択ができる機能、画角の評価を共有できる情報サイトなど、深く検討され、今年のテーマにも合致した魅力的な提案でした。
■審査委員 田中 久生(福岡市科学館 サイエンスコミュニケーター)
コロナによって非常に影響を受けたエンターテインメントのための解決アイデアでした。
公演の邪魔にならないためのフレキシブルモニターや騒音対策のアイデアなど,非常に独創的でした。
想定されるロボットのサイズや使用方法などをさらに考察できると,博多座だけでなくいろいろな会場でも力を発揮できるアイデアと思いました。
■審査委員 加藤 優(九州産業大学芸術学部 非常勤講師)
擬態する羽によるはばたき機構を有するドローン、とハードの面白さを最初に感じた提案でした。
本当のはばたき機構による飛行装置は相当に難しいと思いますが考え方は魅力的です。
ただ擬態で本当に見えなくなってしまうのであれば形は蝶でなくとも良いということになり、この場合は擬態でほのかに劇場に溶け込んだ複数の蝶(ドローン)が観客の視界に入りながらも不思議な空間を創り上げ、それを劇場にいる観客やドローンから見ている劇場外の観客がどちらも楽しめるにはどういう運用が良いか、などの観客の視点からの考察がもっと必要ではなかったかと思いました。
しかしテーマの選定はユニークで17度目の挑戦に期待は高まるばかりです。
■審査委員 筬島 修三(一般社団法人九州経済連合会 産業振興部長)
コロナで打撃を受けたエンタメ業界にフォーカスしたアイデアでした。
リアルとネットのハイブリッド型を想定し、その解決策をプレゼンされたのは、間違ってないと思います。
ドローンの消音化への対応、最適数、確実な制御あたりがもっと説得力があったら、悲願達成できたのではと思ってます。
毎年の決まり文句になってますが、「来年はぜひ優勝目指して」。
■審査委員 永里 壮一(メカトラックス株式会社 代表取締役)
・背景、目的が具体的でわかりやすい、テーマにもマッチしている。
・博多座にドローンを入れるために必要な技術的な課題は分かるが、もう少し実現可能性の高い技術を選択してほしかった。
・はばたき機構の実現可能性が心配、セレーションでの騒音低減についてデモやより詳しい説明が欲しかった。
・擬態のアイデアは斬新で面白い。(環境に溶け込む、光学迷彩?)
・NumberbestとLikebestの考え方は面白いが、もう少しアルゴリズムの説明が欲しかった。
・社会的意義、アイデアは高評価だったのですが、技術的実現性の採点が伸びなくて、審査で評価が割れました。技術部分の説明がより丁寧であれば最優秀賞だったと思います。
■審査委員 田名部 徹朗(株式会社 三松 代表取締役)
農林水産業に関するテーマが多い本コンペの中で、観光・地域振興の観点から「博多座」の営業問題をテーマにあげた点は非常に興味がわき、また気づきにくい事実から地域振興につなげていくための方策を考えられた点で秀逸だったと思います。
ただ、あの蝶が博多座の観客の前で100機も飛んだら目障りであるとは思いましたが、まずデザインがきれい。
騒音にに対する羽ばたき機構、視覚効果を狙ったフレキシブルモニターやAIによる色決め。
全国からのネットを通じて参加できる利便性等課題解決に向けた設計思想がきめ細かく考えられており、実現性の高さを感じることのできるテーマ発表でした。
ぜひ博多座を盛り上げて、博多の街振興を実現させてください。
最後に、今年は例年に比べ定番のパフォーマンスに雑さが見られたのもある意味敗因の一つと思います。
逆に課題解決プレゼンよりパフォーマンスを例年並みに充実されれば次回はいよいよ優勝が近いと思います。次回に向けて精進してください。
一次審査講評:
・使用場所を検討した羽ばたき機構のドローンのアイデアは面白い.
・ただし,多くの遠隔観客が操縦した場合,羽ばたき音は無視できなくなる可能性があり,また,ドローンの渋滞は問題とならないでしょうか.
・劇場で活用できるロボットという観点は良いが,実現のためには別のアプローチも検討できると思います.
・夢があるがそれだけに説得力不足
・面白いニーズ。ただし音が気にならないか、検討してほしい。
・静穏性の具体的な数値(dB値),フレキシブルモータの詳細の説明があれば良かった
・実用化には課題が多い.
・このロボットを多くの人が同時に飛ばすと衝突の危険があると思います
・コロナ禍における博多座の窮地を救う演劇鑑賞用ドローンです.羽ばたきによる静音化やモニターによる擬態,機体密度や「いいね!」数を利用した最適画角探索など様々なアイデアが盛り込まれた秀作です.