(一社)日本機械学会 ロボティクス・メカトロニクス部門主催 九州地区競技会

フューチャードリーム!ロボメカ・デザインコンペ2022

2020年 ◆佳作
水草刈り取りロボット「A.Pトリマー」


チーム名:アズーマー完全体
メンバー:○東  宏錦(大分大学 理工学部 創生工学科 福祉メカトロニクスコース学科 3年)
 川口 雅斗(大分大学 理工学部 創生工学科 福祉メカトロニクスコース学科 3年)
 新川 拓海(大分大学 理工学部 創生工学科 福祉メカトロニクスコース学科 3年)
 吉澤 直輝(大分大学 理工学部 創生工学科 福祉メカトロニクスコース学科 3年)
 加藤 航平(大分大学 理工学部 創生工学科 福祉メカトロニクスコース学科 4年)

A.Pトリマー ポスター1 A.Pトリマー ポスター2

二次審査講評:

審査委員長 谷川 民生(国立研究開発法人産業技術総合研究所インダストリアルCPS研究センター 研究センター長(ロボメカ部門 部門長))
川の中の水草の除去という、一風変わった対象を提案していることは独自性が高いと思いました。 また、水草の除去は人の作業においては、かなり大変な作業であり、ロボット化の効果が高いといえます。 主に、移動機構と、水草回収機構のデザインを中心に提案していましたが、水草を抜くという機構に現実性が乏しかったのが残念でした。 人の作業方法にこだわらず、ロボットなりの抜き方の提案ができれば高評価だったと思います。

審査委員 加藤 優(九州産業大学芸術学部 非常勤講師)
水草の繁殖は最近のTVニュースでも取り上げられていましたが、人力での除去が大変で河川生物環境的にも景観的にも一般の関心が高いテーマだと思います。 文献調査等により課題と目標値を定めたプロセスは正しいのですが、課題解決のための機構の考案プロセスにおいて現場や現実といったものを良く考えてそれらが反映されたかという点においては少し疑問が残りました。 人が歩くこともままならないヘドロ化した水底、水中での密集した水草 、少しでも動くと混濁する水中環境、などを想像した上でアイデアを見直すとさらに良い提案に繋がったのではないかと惜しまれます。

審査委員 田中 久生(福岡市科学館 サイエンスコミュニケーター)
外来水草の繁殖問題に対し,根を除去するという解決策をしっかりと考え,そのためのロボットでした。 水草問題について考えさせられる良い機会になりました。 ただ,根をつかんで抜くという方法ですが,別の方法で実現させた方が簡単かもと思いました。 また,河川の透明度は高いだけではなく低いところもあるので,カメラ以外にも現場を確認する方法があればより現実化しやすいのではと考えました。

審査委員 筬島 修三(一般社団法人九州経済連合会 企画調査部長)
外来水草が河川の環境に悪影響を与えていることは知りませんでした。 根こそぎ除去しないとまた繁殖してしまうので、根元から引き抜く作業が重要で、これに対応できるロボというプレゼンでした。 個人的には高評価のロボでしたが、一点だけ、アームの強度か作業効率あたりが明確に示されていれば、もっと上位に行けたのではないかと思いました。

審査委員 永里 壮一(メカトラックス株式会社 代表取締役)
・テーマ選定がピンポイントかつ具体的で良かった(由布市の水草問題)
・とはいえ、コストも絡む話になるので他のエリアへの転用の話などもあれば尚良かった
・対象(オオセキショウモ)の生態や問題などの説明もあり具体的で良かった
・除去作業の問題点、特に根株についての説明⇒ロボットのポイントになる流れが良い
・とはいえ、後述のとおり具体的に根株に対してどうアプローチするかが欲しかった
・水流で回収のコンセプトは面白かった(水中ならでは)
・既存製品との比較が良かった(差別化の視点があったので)
・実現に向けた課題を挙げたのは良いが、課題解決についてもう少し説明が欲しかった

審査委員 田名部 徹朗(株式会社 三松 代表取締役)
大分県の河川でオオセキショウモなる外来水草が、これほどの環境破壊を助長していたとは全く知らなかった事実でした。 これをターゲットに定めたところまでは期待が膨らみましたが、その後の分析検証不足のため、ロボメカデザインの視点では機能性・デザイン性、そして技術的にカバーできていない点も多く、これらを更に煮詰めてぜひ実現に向けてプランを磨き上げていただきたいと思います。


一次審査講評:

・アイデアは良い.オオセキショウモは簡単に引き抜くことができるのか,アーム形状やアームで持ち上げるために必要なパワーなど,検討が必要ではないでしょうか.キャタピラ駆動部の防水対策は?
・メカの詳細説明があれば良かった.
・提案するアイデアはおもしろいと思いますが,アームで挟んで水草を引き抜けるのでしょうか?
・水中での作業は,もう一工夫ほしい気がする.
・提案している刈り取りプロセスで水草をきちんと抜きとれるのか?
・水草を除去し,スクリューで回収する.
・ロボットの大きさが書いていないですが,2mの水草を回収するとカゴがすぐに一杯になると思いますのでそのあたりの説明が欲しいです.
・オオセキショウモの大量繁殖問題を解決する有用な提案がなされています.水草を刈り取るメカニズムは改良の余地があるように思います.遠隔操作がどのように組み込まれるのか説明がほしかったです.