(一社)日本機械学会 ロボティクス・メカトロニクス部門主催 九州地区競技会

フューチャードリーム!ロボメカ・デザインコンペ2022

2020年 ◆佳作
銀杏回収ロボット 銀太郎


チーム名:South Mountain
メンバー: 轟  晴彦(久留米工業高等専門学校 機械・電機システム工学専攻 2年)
○石橋 拓巳(久留米工業高等専門学校 機械・電機システム工学専攻 2年)
 鬼塚 優弥(久留米工業高等専門学校 機械・電機システム工学専攻 2年)

銀杏回収ロボット銀太郎 ポスター1 銀杏回収ロボット銀太郎 ポスター2

二次審査講評:

審査委員長 谷川 民生(国立研究開発法人産業技術総合研究所インダストリアルCPS研究センター 研究センター長(ロボメカ部門 部門長))
銀杏回収といった、結構使えるところはありそうで、あまり考えられてなかった対象に目を付けたのは評価できました。 銀杏を単に邪魔者ように回収してしまうだけというのが残念でした。 銀杏は、売り物にもなるので、ぜひ、銀杏回収をビジネスにつなげる提案まで検討してほしかったと思います。 ロボット機構の中で、回収だけでなく、外皮をとるところまで機械化し、売れる状況まで銀杏を加工できると有用性が高まると思いました。 特に、ゾウの鼻のように一個づつ回収するからこそ、加工もしやすいというアイデアがあるとデザインと要求仕様のつながりが出てくる提案になったと思います。 モックアップは非常に完成度が高いモデルでした。

審査委員 加藤 優(九州産業大学芸術学部 非常勤講師)
銀杏の平均サイズ20mmに対して吸引口径26mm、吸引口は左右15cm平行移動、500個収容のタンク、悪路に対するクローラー装備、と銀杏回収という命題での幾つかの課題に対してそれぞれ真面目に解決し、それらを正直に組み合わせた非常に生真面目な提案だなと感じました。 これは全く正しいプロセスを踏んでいるのですが、さらに別の視点からの考察が加わると、「銀杏は結構まとまって落ちてるぞ」、「銀杏の葉っぱも一緒に落ちてるからノズルに引っかからないか?」などの解決すべき新たな疑問が浮かび上がるのではないでしょうか。 モデルは構造も正確に再現して良く出来ており一見してデザインされたようには見えませんが可愛らしく、確かにポップなデザインですね。

審査委員 田中 久生(福岡市科学館 サイエンスコミュニケーター)
かわいらしい外見のロボットでした。 街中で起こる問題に対しての提案で,私自身も身近に感じました。 実現化した際のロボットの金額を想定していたのは,実現化へ向けた大事な要素の1つだと思います。 ただ,銀杏を吸い込むだけでなく踏まれた際の地面の清掃等も同時にできるとより便利だと思いました。

審査委員 筬島 修三(一般社団法人九州経済連合会 企画調査部長)
かわいいデザインでモックアップもよく作られていました。 ただ、吸引部分をノズルではなく、もっと大量に吸い込む形の方がよかったのではないでしょうか? ノズルだと時間もかかるし、吸引しなかった銀杏をこのロボ自体が踏んで悪臭の原因になるのではないかなと。 銀杏を捨てるのであればなおさら吸引効率を追求した方がよかったのではないでしょうか。

審査委員 永里 壮一(メカトラックス株式会社 代表取締役)
・背景から目的、テーマ設定は適切(具体的なイチョウ伐採の事例など分かりやすかった)
・回収した銀杏の活用まで踏み込んでほしかった
・掃除機と銀杏タンクへの貯留の仕組みが分かりにくかった(実際の掃除機で動作デモなどあれば良かった)
・具体的な構造のモックアップが作成されていてよかった
・システムの説明がもう少し欲しかった(なぜクラウドを使用したら効率的なのか)
・金額の根拠があれば尚良かった

審査委員 田名部 徹朗(株式会社 三松 代表取締役)
個人的に好きな銀杏が実は公害を起こしていたとは、まったく意外な事実でした。 ただし、このテーマ解決のための回収ロボットのコンセプト設定は分析検討不足で、新しい技術を総花的に並べただけとなってしまったのかなというのが正直な感想です。 もっと利用者の立場から考察できていれば、より具体的で有効なシステムとして提案できたのではないかと悔やまれます。


一次審査講評:

・ノズルは銀杏以外も吸引しないか.また,ノズルは左右方向しか動かないが凸凹のある場所で吸引できる?回収した銀杏は捨てるの?
・銀杏ならではの工夫があれば良かった.
・各地の公園などで活躍できそうなコンセプトに思います.
・イチョウの木の位置は把握されているのでは?人の指示は必要でしょうか?
・銀杏を自動で回収.
・環境との衝突防止機能や,回収ルートの決定などについての説明があった方が良いです.
・銀杏の回収について,大よその場所を人が指定し,その周辺でロボットが自律的に回収する方法が採用されており,遠隔操作と自律制御の分担について検討している点がよいと思いました.