福井県の仁愛大学で行なわれた、人間性心理学会。 11月23日〜25日は、連休で、紅葉の真っ盛りであるだけでなく、 バトミントンの全国大会があるとのことで、著しく宿とりに苦戦。 会期の2ヶ月も前に宿探しを始めたのに、電話するホテル、ことごとく、11月23日と口にしただけで「あいにく団体様が‥」と断られる。 途方にくれていたその時、地図サイト「マピオン」で、宿という項を何気なくクリックすると、 どんな小さな宿でも表示されることを発見。 12部屋、労働者長期滞在歓迎、と書かれた某旅館。 「あ〜その日は全部JT○さんに差し出せ言われて、差し出してますもんね〜。」 「そうですか〜あ〜どこもそうなんですね‥」 「ま〜先生お一人ぐらいやったら、‥なんとかならんことも‥」 やさしいおばちゃんに言ってもらい、ゲットしたその宿は‥。 学会初日、打ち合わせが終わって22時前に宿につくと、すでに真っ暗。 「食堂」と書かれたふすまをノックして空けると、おばちゃんが布団をしいてドーンと寝てる。 ちなみに、ふすま側におばちゃんの足がきているので、寝ながら仁王立ちされているという構図だ。 「あー先生ね、3階の○○の間ね」 ○○の間は、角部屋の和室で一人部屋。 女性客ということで気を使ってくれたのかもしれない。 館内は満室の気配だが、寝息、いびき、そして時折ひそひそ声。 労働者の皆様やスポーツマンにとって、22時は、もう夜中なのだ。 早速風呂に入ろうかと思い、明かりの消えた館内をくまなく探すが、 どうしても風呂が見つからない。 あるのは、寒々しい共同トイレと、4台の洗濯機。 おばちゃんは寝てるし。 部屋に帰り、暖房でもつけようと思い、 石油ストーブのスイッチを押すが なかなかつかない。 これは‥、こ、これは‥。 マッチがないとがないと点けられないタイプ‥。 そして部屋にマッチがない。 労働者の皆さんは、ライター持参でらっしゃるのだろう。 そういえば、浴衣と丹前は置いてあるけれど、タオルも、歯ブラシも無い。 ここは風呂は、無いのかもしれない。 もし風呂があったとしても、22時に音を立てて入れない。 コートを着て駅まで出て、銭湯はと、タウンページをめくるが、 越前市には銭湯は一軒も載っていない。 せめて歯ブラシをと思い 駅員さんに「コンビにはありますか」と尋ねるも、 「コンビニはあるけれど、歩いていける距離ではないですねー」。 ‥。 九州人にとっては寒い夜。 人恋しくなり、隣町に泊まっている平井氏に、 「明日の朝、歯ブラシ買ってきて〜」と泣きの電話を入れる。 江戸時代の人のように、指で歯を磨き、冷たい水で洗顔。 毛布2枚と布団2枚。さらに、 広いおでこにも1枚毛布をかけて、就寝‥。 足が寒い。 明日の予定は座長2つに発表1つ。 風邪を引くわけにはいかない、と、一抹の不安を感じながら‥。 つづく 労働者御用達の宿 宿泊体験記 in 福井(2) |