・台湾国民住宅の住戸計画の課題に関する研究
 1955年以来の長い歴史を持つ台湾の国民住宅について、住戸計画を中心にその計画課題を検討した。その結果上下足はきかえへの対応、DK方式の採用、洗濯・脱衣スペース、収納空間等で不十分な点があることが明らかになった。
・現代家族の変容と住まいに関する研究
 現代住居の大きな課題であるコミュニケーション空間のあり方について、住み方調査にモニター調査を加えて分析・検討を行った。特にここでは広い居間のコーナー分けの可能性や広い食事室の居間的使われ方の可能性に着目した。
・イギリスに於けるリビングルームの起源・成立と変化・発展に関する研究
 イギリスのリビングルームは世紀末に農場労働者の為のCottageに於いて成立し、その後、主として庶民住宅の中で普及・発展した。この部屋の誕生と200年に及ぶ変化・発展の歴史を分析し、その空間的本質が多目的性及びコミュニケーション機能にあることを明らかにし、又、それは伝統の中から自然発生的に生まれたのではなく、提案によるものであることを指摘した。
・北部九州の住まいづくりに於ける住情報の流れに関する研究
 住宅がいわばできあいの大型商品として供給される現代に於ては、すまいづくりに関する情報が住み手,つくり手両方にスムーズに届けられることが肝要である。本論では住み手,つくり手両者に対する調査から現状の問題点を洗い出し、住情報を総合的に提供し、かつ、住み手とつくり手の交流の場ともなり得るような住情報センターが望まれていることを明らかにした。
・住居に於けるコミュニケーション空間に関する研究
 従来の住み方調査に加え、モニターによる生活記録という新しい方法で住居に於けるコミュニケーション活動をとらえ、居間を多目的空間として計画すること、玄関を単なる出入りの空間としてではなく対社会コミュニケーションの空間として計画することの重要性を明らかにした。
・福岡県のすまいづくりに於ける住情報の流れに関する研究
 福岡県のすまいづくりを例にとり住み手とつくり手の両者の住情報獲得活動,それに関わる意識等を調べ今後の方向として住情報を総合的に提供し、かつ住み手とつくり手の交流の場ともなるような住情報センターが望まれていることを明らかにした。
・多目的空間としての居間の計画に関する研究 − コミュニケーション機能を核として −
 居間=リビングルームに関する歴史的考察と、モニターによる生活記録を軸にした新しい調査方法とに基づき、住居に於けるコミュニケーション機能の充実のためには、居間を多目的空間と計画することの重要性を明らかにし、その為の指針を提案した。
・都市住居の空間構造に関する研究
 日本の住居史に関する考察と、現代の世界の住居の平面構成,及び現代の集合住宅の住み方調査の分析を通して、今日の都市住居に於ける空間構造の希薄化の実態と問題点を指摘し、その改善策を提案した。
・通勤行動からみた住宅立地に関する研究
 住宅問題の重点が量から質へと転換した現代では、適切な住居がそれを必要とする需要者に適切に供給されることが重要になって来ているがそうした政策の立案の為には通勤圏と住宅立地を関連させることが必要である点を指摘した。
・集合住宅の公室に於ける住様式に関する研究
 住宅の公室の核ともいうべきリビングルーム=居間は一般的には家族のだんらん℃コとしてイメージされている。しかし、実際はそこは単なるだんらん≠フ場ではなく、主たる接客空間でもあり、又、半ば私的な行為も含めた家族の多様な生活行為の場であることを、集合住宅居住者の住み方調査を通して明らかにした。
・集合住宅の公室構成に関する研究
 集合住宅の居住者の住み方調査を通してリビングルーム=居間に和室を開放的に接続するプランの有効性を明らかにし、その際の設計指針を提案した。
・福岡市民の居住状況とその問題点
 国勢調査基本区を基に、3200戸の福岡市民の住宅を対象として、住み方や住環境に対する評価等に関する調査を行った。本論では主として住戸内部の問題点を抽出し、改善の方向を検討した。
・区画整理方式による住宅地開発の諸問題
 区画整理方式によって開発された日ノ里ニュータウンの居住性や建設過程を調査しその問題点を指摘した。
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