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脳錯覚リハビリ制御装置の研究~ロボットと人工知能~

理工学部 機械工学科
学びのキーワード
  • 高齢化社会
  • 脳の再生
  • ロボット
  • 人工知能
  • リハビリ装置
  • 認知症予防

講義ポイント①

卒業研究では人工知能とロボット制御技術を利用した脳のリハビリテーションに関する研究をしています。脳に何らかの障害を生じて手足が不自由になった方々は、手足が動かないのではなく、脳からの指令が手足に届かないこと、または脳そのものがダメージを受けていることによって手足が動けない、だとすれば、脳をリハビリすべき、と考えて本研究を始めました。高齢者においては脳梗塞や認知症など、脳の神経細胞であるニューロンに何らかの疾患がある場合が多く、これまでは失われた脳機能は再生できないと考えられていました。ところが、最近の研究では何らかの刺激により脳活動を活性化することで脳の神経細胞を再組織化し、脳機能を再生することができる(ニューロリハビリテーション)と考えられるようになってきています。

講義ポイント②

ロボット制御技術で両手・両足を駆動させ、予想と違う運動、いわゆる「錯覚」をリハビリ訓練に導入し、NIRS(脳血流測定装置)で測定した脳血流の活動状況が脳の測定部位によって違いがあること、刺激が脳活動の活性化に繋がることを人工知能による解析で明らかにしました。現在は、どのような刺激(運動刺激や電気刺激など)が脳のリハビリに効果的なのかを明らかにするため、刺激と脳活動の関連性について調査・研究しています。また、脳血流だけでなく筋電図など様々なバイオセンサ情報を人工知能で分析しながら治癒効果を検証し、脳の再生に最適なリハビリ装置の開発を目指しています。

講義ポイント③

リハビリ訓練を行うことによる運動刺激、電気刺激によってもたらされる脳活動の血流データは膨大な量になり、脳活動の仕組み(刺激と脳活動の関係など)も未だ解明されていません。このような膨大かつ不可解なデータを信号処理し、人工知能(ディープラーニング)によって解析・分類することで、刺激と脳活動の関係が明らかになる可能性があります。したがって、ロボットを動かすためのメカトロニクス(機械工学+電気工学)に加えて人工知能も学ぶ必要がありますが、近い将来、人工知能+ロボットは人類の強力なパートナーになりますので、大きな夢と希望をもって学んで欲しいと思います。

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理工学部 機械工学科

鶴田 和寛 先生
専門:制御工学、技術者倫理
  • 講義内容がめざすSDGs