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ギリシャ神話と日本神話~なぜ類似する神話が多いのか~
古代ギリシャ神話と記紀神話には、よく似た神話がいくつか見られる。代表的なものは、①冥界に降って妻を連れ戻そうとするが失敗、②怪物を退治し、犠牲にされそうになった娘を助けて妻とする、③稲(麦)を少年に渡して人間界に穀物を与えるなどである。
両神話が成立した年代は不明だが、文字にされた年代には1200年ほどの開きがある。比較神話学の研究者は類似する神話が世界に見られる理由を、人間が考えることは同じである、あるいはアフリカかどこかで発生した神話が世界に広まったなどと考えているが、遠く離れ、成立年代も大きく異なる日本とギリシャに、彼らの理論があてはまるとは思えない。そこで両神話にほとんど同じとも思える神話が見られる理由を考えてみた。
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国際文化学部 国際文化学科
安永 信二 先生 - 専門:古代ギリシャ史