九州産業大学柿右衛門様式窯で窯開きを行いました

 九州産業大学柿右衛門様式窯で、7月22日(水)に窯開きを行いました。窯開きは平成12年から実施し、今回で50回目となります。

 

 窯焚きから1週間、芸術学部美術学科大学院芸術研究科の学生14人は、まだ熱気が残る窯の中から、1ヵ月間かけて作り上げた約500点の作品を慎重に取り出し、焼き上がりを確認しました。

 

 

 

 芸術学部美術学科3年の中野杏美さん(取手松陽高校)は、「釉薬(ゆうやく)というコーティング剤をかけない焼き〆(しめ)の技法を用いたことで、灰がそのまま作品に飛び散って生み出される模様や表情を確認できました。薪窯ならではの醍醐味ですね」と感想を話しました。

 

 窯室内で作品を保護する「さや」と呼ばれる容器の内側に銅を塗り、作品への銅の飛散具合を実験した大学院芸術研究科1年の眞田裕大さん(真颯館高校)は、「今回、作品への銅の映り込みがやや少なかったため、分量と濃度の配合を変える必要があることが分かりました。収穫ですね」と話しました。

 

 芸術学部美術学科の梶原茂正教授は、「自分の手で作品を作ることにより、商品では味わえない、本物の良さを実感してほしい。制作過程で知らず知らずに養われる審美眼を鍛えるのが私の使命です」と語りました。

 

◆九州産業大学柿右衛門様式窯

 登り窯と単窯の機能をあわせ持つ薪窯で、平成12年10月に設置しました。これは、本学大学院芸術研究科客員教授の十五代酒井田柿右衛門氏の実父であり、当時、同研究科教授だった故・十四代酒井田柿右衛門氏が「芸術を志す若者たちに、伝統工芸の奥深さを直に感じてもらいたい」と門外不出の柿右衛門窯を踏襲して設計された、日本で唯一のものです。

 

     

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