第3回大学教育フォーラム「退学問題に向き合う!!」を開催

 第3回大学教育フォーラム「退学問題に向き合う!!〜退学者の現状を踏まえて〜」が、6月28日(土)に開催され、157人の学生、教職員らが参加しました。

 

 全国の大学の除籍・退学率は約3%となっており、カリキュラムとのミスマッチや学力不足、人間関係などの理由から毎年6万人以上の学生が大学を去っています。日本の大学の多くが退学問題に直面しており、さまざまな対策を講じています。  

 

 今回のフォーラムでは、大学ジャーナリストの石渡嶺司氏(写真左)と、立花高等学校の齋藤眞人校長(写真右)が基調講演を行いました。  

 

 石渡氏は約400大学への取材をもとに、大学中退者が増える背景として大学進学率の上昇とともに、将来ビジョンがあいまいなまま進学を選択する高校生が増加していると指摘。これに、「経済的困窮、進路変更、修学意欲の低下が複合して、中退につながるケースも増えている。面談指導など直接的な中退対策だけでなく、修学支援や友だちをつくりやすい環境づくり、奨学金制度など予防につながる取り組みも進めてほしい」と話しました。

 

 齋藤校長は、不登校や発達障害を抱えた生徒と関わってきた経験を振り返りながら、「大人が『できて当たり前』という概念を捨てることが必要。学生によっては、中退が一概に悪いとはいえないかもしれない。だからこそ中退率など数字を見るのではなく、なぜそうなったのかに立ち返ることが大切。学生がどうしたら満足感を覚えるかをじっくり考えていけば、数字もついてくるはず」と訴えました。

 

 続いて、秋山優九産大教務部長(経済学部教授)から九産大の除籍・退学減少のための取り組みの説明の後、経営学部産業経営学科3年の松岡瑞季さんが石渡氏の講演でも「中退予防につながる」と紹介された経営学部事業開発コースの取り組み事例を紹介しました。

 

 最後に、石渡氏、齋藤校長、山本盤男九産大学長、松岡さん、聞間理経営学部教授が、秋山教務部長をコーディネーターに、中退対策として面談指導のあり方、多様な授業の選択肢などについて、パネルディスカッションを行いました。

 

 

 

 

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