平成20年度決算について

 平成20年度決算は、5月22日開催の理事会で承認後、同日の評議員会に報告されました。さらに、本日(6月9日)、監査法人から適正である旨の「監査報告書」を受領いたしました。以下、決算の概要についてお知らせします。

 消費収支計算書において、予算では当年度消費収支差額を2,002百万円の支出超過と見込みましたが、決算では5,569百万円の支出超過となりました。支出超過額が増加した第一の原因は、学園創立50周年記念給付奨学金の制度設立に伴う第3号基本金への4,000百万円の組入れです。第二の原因は、昨年9月に発生した世界的な株価の大幅下落と急速な円高の影響を受けた保有有価証券の時価の下落による「有価証券評価差額」2,197百万円の計上です。

 本学園では、運用の結果、有価証券の時価が取得価額より著しく下落した場合(下落率50%以上)は、本学園の経理規則により期末時点の時価で評価することとしています。平成20年度は世界的な金融経済環境の激変により、4,985百万円のマイナスの評価差額が生じました。このうち前述の2,197百万円を消費収支計算書の「有価証券評価差額」に計上しました(評価替えを行ったもので実際に資金支出は発生していない)。残額2,788百万円は貸借対照表の注記に有価証券の時価情報として記載していますが、このマイナスの評価差額が直接、本学園の財政運営に支障をきたすことはありません。

 本学園の資産運用は、平成18年4月に資金運用委員会を設置し、関連諸規程を整備したうえで長期運用、満期保有を基本として積極的に取り組んでまいりました。この結果、平成17年度まで毎年3億円台にとどまっていた資産運用収入(金融資産運用による受取利息・配当金の合計で施設設備利用料を除く)は、平成18年度が637百万円、平成19年度が1,123百万円と増加しました。平成20年度も未曾有の金融危機と実体経済の悪化にもかかわらず、992百万円となりました。このように最近の資産運用は、学園の収入確保に一定の貢献をしてまいりましたが、一方ではマイナスの評価差額を抱えるという結果となりました。

 本学園における資産運用収入は、奨学金給付の原資となるなど、帰属収入全体からみても重要な部分を構成しています。このような状況から、今後も資産運用を行う必要がありますが、取り組みにあたってはリスク分析など管理態勢を一層強化してまいります。
                                                   以 上

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