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  • 特別対談 芸術表現学科の学びとは?

特別対談

どんな学びの場ですか?

  • Painting・Sculpture
    絵画専攻・立体造形専攻
    卒業後の進路
    「画家」 「美術家」 「美術・工芸教員」
    「彫刻家」 「ディスプレイデザイナー」など
  • 南:日本画では、写生をすることで物の見方を深め、その上で日本画の基礎技法や表現を学びます。自然の造形から学ぶことはとても大切で、形や色の記録、感動の記録を蓄えることで創造性を高めることができます。

  • 前田前田:いろんな手法で立体造形を体験しながら、単に技術的なことだけではなく、自分との対話を促す手立てを見つけます。そうすることで、自分自身を深化させる伸びしろをつくっていくことができるはずです。

  • 渡抜渡抜:まず描いて体験する事を軸に、授業を通して学んでいく多様な表現と技術が応用発展していけるよう、サポートをしていきます。様々なことに対して好奇心と面白がる力を育てていってください。

  • プラットプラット:アートの実践は、世界についての複雑さを伝え、外界と内面の想像力の間のつながりを築く方法です。常識的な境界線を越えて、グローバル文化における新しい視点づくりに貢献できる力を育んでいきます。

  • 国本国本:絵を描くこと、作品制作に向き合うことは、自分を知ること。その周りに広がる世界に興味を持ち、触れたり知ったりするきっかけを与えてくれます。絵を描きながら、新しい視野を広げていってください。

  • Media Arts and Sciences
    メディア芸術専攻
    卒業後の進路
    メディアアーティスト」 「映像作家」
    「アニメーター」 「マンガ家」
    「ゲームクリエーター」など
  • 黒岩黒岩:メディア芸術は、映像・アニメーション・マンガ・エンターテイメントの多様な分野が融合した、広く深い領域です。どう進化するか予測不可能でエキサイティングな可能性を秘めた世界を皆さんと冒険します。

  • 檀:マンガは世界に認められた日本の素晴らしい文化です。映画に近い表現方法で自分自身のイメージをそのまま物語として伝えることができます。デジタルを使って、より早くより確かな表現ができるよう指導します。

  • 羽太羽太:メディア芸術の絵筆は多様です。センサーを使うこともあれば、CGやサウンド効果、プログラミングをすることも。多様な手法を修得しますが、一番大切なのは、どのようなコンセプトで人々を魅了したいか?です。

  • 趙:CGアニメーションの創作は容易なものではありません。しかし、その楽しさを知れば長く続けられる原動力となり成果の向上に繋がります。私の研究室では、学生を中心に、楽しく学ぶことのできる場を提供します。

どんな研究をしていますか?

  • Painting・Sculpture
    絵画専攻・立体造形専攻
  • :日本画では、写生をすることで物の見方を深め、その上で日本画の基礎技法や表現を学びます。自然の造形から学ぶことはとても大切で、形や色の記録、感動の記録を蓄えることで創造性を高めることができます。


    草虫図2022年 紙本着色
    116.7x91.0cm

    前田:彫刻は三次元ですから空間にドローイングしていく感覚。普段からドローイングも絶やさずやっています。鉄を素材にした抽象彫刻を中心に作品を作ってきましたが、彫刻という概念にとらわれず、インスタレーションなどにも積極的に取り組んでいます。


    Untitled 2022
    M1 35x27x41cm 鉄

    渡抜:私が一番好きなのは16〜17世紀の西洋絵画で、当時の写実的な表現を追求し続けています。最近では、昔から存在する絵画と同じ構図で現在のモデルを使って人物画を描き、元々の絵と並べて比べるようなことに挑戦したいと思っています。


    傾き見る】2023
    アルシュ紙、水彩 41.5x29cm

  • プラット:私が育ってきたベースは絵画なのですが、平面だけでは物足りなく、フラストレーションを感じることがあります。絵画の立場から建築にどうアプローチするか?映像なら?と、学際的に境界を越えて絵画が持つ可能性を広げていきたいと考えています。


    Prosfuge 2023 展示風景
    (九州産業大学美術館)

    国本:取り組んでいるのは「覚える」「思い出す」「認識する」ということを主題とした作品制作です。その中で、キャンバスを既存の立体物に置き換えた展開などにも興味を向けて、関連性を探っています。


    すもう 2021 キャンバスにアクリル絵の具
    80.3x130.3cm

  • Media Arts and Sciences
    メディア芸術専攻
  • 黒岩:さまざまな表現に挑戦してきましたが、最近は原点に戻ることに心が動いています。十数年に渡り、ある舞踏家の方と身体表現と映像表現を融合させた哲学的な作品を作ってきましたが、今一度新たな気持ちで向かい合い、その表現を深めたいと考えています。


    『桜の心臓』 2019 実験映像(MV)

    羽太:最も力を入れているのはAIによるアート表現です。他にもプログラミングで手で作れる造形の限界を超えるアルゴリズミックデザインも。また実態のないデジタルアートに仮想通貨と紐づけて作品としての価値を高める研究にも取り組んでいます。


    人工知能は宮廷画家の夢を見るか

  • :私は、草分け的にデジタルでマンガを描き始め、ずっとその手法で作品を描き続けてきました。ですが今になって、アナログで描くことにも挑戦したいと考えて始めました。先祖返りすることで、逆に新しい発見があるのでは?と思っています。


    塔に囚われた花嫁 (原作ジェイン・ポーター)

    :実写映像だと「あぁ昭和の映像ですね」と感じるものがある。アニメーションにも、どんな時代に作られたものかを感じられる作品を作りたいと考えています。その時代の空間と時間の中にある本質的なものを記号として取り入れたいですね。


    Diaries 2022年 デジタル/2分13秒

どんなことを学生に期待しますか?

  • Painting・Sculpture
    絵画専攻・立体造形専攻

:ほとんどの学生は、高校までに日本画に触れたことがないと思います。それだけに新鮮な出会いから生まれる喜びがあると思います。また、日常で感じることの積み重ねを大切にし、日本画を入り口として自由で多様な表現力を身につけてほしいです。

前田:立体造形はむずかしいと思われがちですが、自分の思い描いたカタチが出来上がっていく過程はとても楽しく、やればやるほど面白さは深まります。あなたが作りたいものに対応できる設備も揃っていますよ。

渡抜:絵を描くことが好きな人に来てもらうのが一番うれしいです。その気持ちをベースにいろんな経験を積み重ねて成長してください。絵画は一生続けていく価値があるものです。4年間絵画に没頭すれば他の分野では得られない喜びを味わえるでしょう。

プラット:学生の多くは福岡・九州の人ですが、グローバルな視点から今の世界を深く広く見渡してほしいのです。そこから気になることや課題を見つけ、アーティストとして何を表現すべきなのか、自分が好奇心を持てることは何なのかを考えてください。

国本:絵を描くという行為は単純な動作だけの話ではなく、その周りにある様々な事柄も含まれています。幅広い興味を持って主体的に動ける人なら4年間をとても充実させられるし、いっしょに楽しいことができるのではと思います。

  • Media Arts and Sciences
    メディア芸術専攻

黒岩:歴史が浅く、未知数が多いメディアアートは教科書のない世界です。だから自分でいろんなことに興味を持ち突き詰めていけば、新しい表現の可能性を開いていけるはずです。大学ではたくさん出会いや経験があります。一つひとつを成長のチャンスにしてください。

:どんなに下手でもいいからマンガが好きで、自分で描いたことがある人に来てほしいです。大切なのは情熱。邁進する気持ちがあれば夢は成就するはずです。あくまでも「楽しむ側」ではなく「楽しませる側」の視点で学びを重ねていきましょう。

羽太:お手本通り優等生的に作るのではなく、自分で文脈を見つけて新しい表現に挑戦する人が向いています。また「自分が好きなこと」に固執して、それ以外に興味を持てないようではいけません。既存の枠をはみ出して表現を拡張していってください。

:「こんなものを作りたい」「こんな気持ちを表現したい」「こんな社会問題をテーマにしたい」など、高校生活のうちから意識して自分の主張を持つ心がけが大切です。その表現ツールとして何を選べばいいのか?を学ぶのが大学だと思います。

【結論】

アートの原点を守るのも、コミュニケーションの未来を拓くのも、芸術表現学科の学びだ。

常にアートが忘れてはならないものを受け継ぎ伝えながら、AIやデータサイエンスなど最新テクノロジーも柔軟に受け入れ、これからの時代が求める表現やコミュニケーションを試行錯誤を繰り返しながら次々とカタチにしていく。世の中が進化するほど、芸術表現学科が未来のために担う役割は大きくなっていく。


  • 客員教授

    塩谷:自分にとってのリアルとは何かを探っていきます。それは、具象や抽象などの様式に関わらず、表現の核になるものです。作らずにはいられない衝動、つまり作者が生きているという実感のこもった作品を目指します。


  • 「Martina」