所属部局・職名

フリガナ

氏名

学位及び現在の専門

工学部 都市基盤デザイン工学科・教授

オクゾノ セイシ


奥園 誠之

工学博士 
地盤防災工学・土木地質学

(1) 地盤工学とは

 地盤工学(Geo Technology)は社会基盤整備事業(infrastructure)のなかでも最も基礎となる技術の一つといえます。地盤工学とは、地質学、地形学、土質力学などを組合わせて、土工事、防災工事、トンネル工事、ダムや橋梁基礎工事などに応用した技術です。

(2) 本研究室では

 我が国では、毎年のように集中豪雨や地震による災害を受けています。(写真参照)本研究室では、これら自然災害のうち特に斜面防災(地すべり、斜面崩壊)対策に関する新技術の開発を行っています。

主な研究テーマとしては、次のようなものが挙げられます。

    ①     土留め擁壁の土圧軽減工法の開発

    ②     土留アンカー工の効果的改善

    ③     落石防止工の開発

    ④     斜面崩壊の事前予測に関する研究

    ⑤     災害斜面の復旧対策に関する研究

 

研究手法は次のとおりです。

     現場の設計施工実績とその結果(成功・失敗)のデータを集め、統計的手法により帰納的、経験工学的な設計基準を作成
  する。

     理論と室内実験、現場実物大実験結果との比較を行うことにより理論値の補正が可能で、これを設計へ反映させている。
  本研究室においても、室内模型実験と現場計測との関連付けを行っている。


(3) 社会に対して

   図は本研究室(奥園)が過去3年間に各機関より依頼を受けて斜面防災に関する現場における技術指導・協力を行った
  実績を示したものです。全国で約100地区、そのうち九州沖縄地方が1/3、中・四国を加えた西日本が半数を占めています。

   また、図中に○印、すなわち斜面崩壊の事前予知技術が1/3、対策工の計画・設計・施工管理技術が1/3、災害斜面の
  復旧対策技術が1/3の割合となっています。




(4) 学生教育に関して

    主な講義科目は次のとおりです。

     土質力学(2004年度より地盤工学)

     建設ゼミナールⅠ(土質力学の応用演習)

     建設ゼミナールⅢ、Ⅳ(土質試験実験演習)

     卒業研究(学部、大学院)


 なお卒業研究については本研究室学生全員全国各地の建設現場へ引率し、理論から実践面へのアプローチを体験させています




(5) 研究・教育歴

      1964年~1987年日本道路公団試験所(土質試験室・トンネル斜面試験室)

      1987年~1990年日本道路公団本社技術部

      1990年~1996年(財)高速道路技術センター

      1996年~現在九州産業大学工学部教授(土木工学科)

      2000年~現在九州産業大学大学院工学研究科修士課程(土木工学専攻)教授

      2003年~現在九州産業大学大学院工学研究科博士後期課程(社会開発・環境システム工学専攻)教授

      1990年島根大学理工学部非常勤講師

      2000年広島大学工学部非常勤講師

      2000年鹿児島大学理工学部非常勤講師

(6) 著書

     『斜面防災100のポイント』(単著) 鹿島出版会 全142貢 1986年

     『切り土斜面の設計から維持管理まで』(単著) 鹿島出版会 全173貢 1983年

     『土木技術者のための現地調査』(共著)鹿島出版会 1981年

     他学術論文45編